口実2

   いつも一緒にいようがいまいが

   そんなことは関係ない


   兄妹みたいに育っても

   兄妹になるわけじゃない


   兄妹のように近いだけの

   ただの人間だ


   兄妹のようなということを

   羨ましいと言う奴らもいれば

   不気味だという奴もいる

   マザーの存在があってこその関係


   それが不思議なものなのだと気づいたのは

   ここに来て、他の奴らを見てから


   他の奴らの 自分たちを見つめる態度を見てから


   それがどれほどのことなのか


   それも不明なまま


   今は自分のなすべきことを

 
   為そうと前に進むだけ


   そう思うことが

   自分の本心に気づかずに済む唯一の方法



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洞を見つけて、覗き込む


  焚き火の匂いがして、そのまま近づくと

  ちょうど火を囲むようにして


  マキナとレムが寄り添っていた


  正直あまりいい気分でもないが

  無事ならいい


  
  「俺だ、無事か」


  ずかずかと二人の空間に割ってはいる


  「ああ、すまない」

  マキナが保護者のように礼を言ってくる


  レムも眠っていたのか、まぶたが
  トロンとしていたが
  すぐに事態を飲み込んだか
  こちらを見て微笑んでくる


  「・・・お前たちだけか?」

  「あれ?ケイトは?」

  レムは見回すが視界にはいないようだ


  「さっき、奥を見てくるといったままだな
   探してこよう」


  マキナが腰を上げようとするが

  「かまわない、負傷しているんだろう
   これを使って準備しておいてくれ
   ケイトが戻り次第、キングと合流する。」


  そういって、二人にポーションを渡し
  ケイトを探しに奥のほうに向かう



  洞の中はかび臭いところもあるが
  ひんやりとしていて、意外に明るいところも多い

  少し行くと、ケイトがうずくまっていた


  「ケイト?どうかしたか?」

  声をかけると、ものすごい驚いた様子で

  ビクっと肩を震わせたかと思うと

  あろうことか銃をこちらに構えようとした

  反射的に懐に入り、銃を押さえ込む

  「うわぁああった!!  ご。 ごめん!!」


  はとが豆鉄砲・・そんな顔をしながら

  アタフタしては目を丸くする


  「お前、危ない奴だな 用心するのはいいが
   相手を良く見ろ
   俺でなければ当たってるかもしれないだろう」


  困った奴だな、一体何にそんなに驚くことが・・

  「キ、キングが、来るって思ってて ・・・
   あんただって、思わなかったのに 声がしたから 
   幻聴かって思って・・」


  「別にありうるだろう、キングは同行していたナインが
   今離脱中だからその場で待機している。
   これから合流するから、俺がお前たちを集めろと
   指示されただけだ。」


  「・・・マキナと、レム・・は?」


  「・・無事だが、なんだ」

   そう言って、少し思った

   もしかして・・・


  「いや・・・その・・・邪魔かな〜って」


   もじもじと、うつむいている


   俺でもあの空間に入るのは少々気まずい

   こいつは感受性の強いやつだ

   きっと気を遣った結果、奥のほうに引っ込
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