ただ求める(クラサメ×サイス)※18禁

大鎌から滴り落ちる水滴ならぬ血の滴を
顔も髪も土埃で汚れた彼女はただ見つめていた
もう拭う手すら血で染まり尽くしてしまっているので
かえって血のりを広げてしまうだけだと
頬を拭おうとした手を下ろし
疲れ切った肩から鎌を一度消した

彼女にとっての一日というのは
こうして戦場を駆け回り
敵をなぎ払い、鎌に血を吸わせ、怨念を溜めては解き放つ
ここ数か月はそんなものだ

以前は彼女の母の笑顔さえ見れれば
満足だったしそれでよかった

人を殺める事に恐怖せず
むしろ優越を感じてさえいた

しかし今血しぶきの中彼女は
思い人の腕に戻る事だけ願い
帰還する為足を引きずっているのだ


「もう帰投して良いのかよ」

ぶっきらぼうにCOMMでそう尋ね
帰投許可を確認すると

あちこちになぎ倒した躯を踏み越えながら
回収ポイントを目指した





夜、彼女は自分の指揮官の部屋を訪れていた


感情を露わにしないその指揮隊長は
自室にも拘らず、未だに軍服を纏い
マスクも着用していた


「血の匂いがするな」


隊長のクラサメがぽつりとそう言うと
サイスはシャワーを浴びた後にも関わらず

「もう染み付いて落ちやしねぇよ」

と、皮肉っぽい顔をして笑った

きちんと洗われた彼女の制服には
いつもの裾をボロボロにほころばせたマントは無かった

「候補生たるもの、常に魔導院内ではマントは着用しておけ」
「どうせすぐ脱ぐだろ」

そう言うと彼女は制服の肩当てと前の留め具を外し
彼の前で軽く広げて見せた
下着を着けていない彼女は
慣れた様子で彼に乳房を見せながら挑発した

「下着はどうした?」
「どうせ脱ぐって言ったろ? それとも脱がしたかった?」

悪ふざけのように笑いながら
クラサメのマスクに手をかけ
外す間すらもどかしいと言うように
彼の鼻や頬に口づけを始める


クラサメは好きにさせているが
慣れたものなのか
椅子に腰かけたまま彼に愛撫を始める彼女を
頬杖をつきながら眺めていた

「血を見て興奮しているのか?」
「さぁね、あんたらと違って血を見ない日の方が少ねぇけどな」

そう言うと、スカートの下に履いていた下着を
脱ぎ捨ててから、靴下だけの姿で彼の膝の上に乗った


彼の顔、髪に喉、
少しずつ広げて行く胸元には
顔からの火傷の痕が痛々しく残っている

口づけるというより、舐めるように
指で触れ、舌を這わせていくサイス

「私は明日も朝から軍議なのだがな」
「……」

そう言われても彼女は動きを止めようとしない

彼の手のひらから手袋を外し
その長い指に自身の指を絡めてから
自分の乳房に押し当てた

「1回だけ……」

こうしたやり取りも今更になるほど
繋がった数はサイスも覚えていない

「来るならもっと早く来い、私にも都合がある」
「うん」

そうしてようやく素直になった彼女に
仕方ないなと言うようにその頭を軽く引き寄せて
深く深く、唇と舌が重なる

「くっ……ふ」

苦しくなるほどの口づけも
乳房に与えられる優しい愛撫も
今のサイスには苦しいだけで
早く早くと求めるように
膝の上で腰を動かして見せた

「堪え性が無いな、自分でしてみたのか?」
「ここに来るまでにやった……満足しないから来てんだよ」
「それは悪かったな」

そう言うと、クラサメは膝に乗った彼女の足の間に
長い指を潜り込ませた

スカートの中で彼の手が動く度に
サイスの吐息が荒くなり、びくびくと魚の様に跳ね始める

「おねが……ぃ」
「待て」

少ししか経っていないのに
すぐに水音が聞こえ始め
向か
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まろやか投稿小説 Ver1.53c