モブ退治で張り切り過ぎたかな。
さすがのオレも、ちょっと疲れちゃった。
皆はご飯を食べているようだけど、
さっさと宿の部屋に戻ってベッドにゴロリと横になる。
前衛にいたバッシュ、カッコいいな。オレもあんな風に武器が使えたら・・
そうだ!今度教えてもらおう。
その時、ドアをノックする音がして、バッシュの声が聞こえてきた。
「ヴァン、入っていいかい?」
「どうぞー」
オレはちょっと間の抜けた声で答えた。
バッシュは心配そうにオレの顔を見る。
「具合でも悪いのか?ご飯は?」
「うん・・なんか疲れて眠いんだ。ご飯いらないや」
「少しは食べないと、体が持たないぞ。
ここに置いておくから、好きな時に食べなさい。」
バッシュはそう言うと、何やらのっているトレーを
横のテーブルに置いてくれた。
スープ、飲み物、パンと軽いおかず。
わざわざ持ってきてくれたんだ。バッシュってやっぱり優しいよな。
部屋を出ようとする彼に、オレは後ろから声をかけた。
「バッシュ、ありがとう」
振り向いた彼は
「どういたしまして。ちゃんと食べるんだぞ。」
と、ちょっとイタズラっぽい笑みを浮かべた。
バッシュが扉の向こうに出ていくのを見送りながら、
何だかオレは嬉しくなった。
・・うん、これだけでも食べてしまおう。
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