FF12で140文字SS:5話

☆『噂の二人』(ヴァンとレックス)

ムスル・バザーへ行ってごらん。

人ごみに紛れて、いたずらしている少年。
彼を追いかけて、叱咤しているその兄貴。

日常茶飯事。ここの住人なら誰でも知ってる、レックスとヴァン。

顔は似てるけど、兄は優しくてしっかり者。
弟は無邪気で明るい。

こっそり女の子達が噂しているよ。どっちも可愛いってね。



☆『そう、全てが終わる前に』(レックス)

無数の味方の死体、息絶えた陛下。

一体誰が?。

考える間もなく、体に激痛が走る。刺された…!。

なぜ?。

祖国は、これで全てが終わってしまうのか。
そして、オレもここまでか…。

ヴァン。

最後の力をふりしぼっても、もう名前を呼ぶことしかできない。
一人にしてしまうね。ごめんな…。



☆『神様なんていない』(ヴァン)

兄さんは周りから裏切り者呼ばわりされ、廃人になり最後まで
オレのこともわからず逝ってしまった。

兄さんが一体何をしたって言うんだ?。

祖国を守りたいと、勝つ見込みの無い義勇軍に志願して。
なのに酷すぎる。神様なんていない。何も信じない。ずっとそう思っていた。

バッシュと言う男に会うまでは。



☆『時間よ止まれ』(ラーサー)

初めて会った時は「帝国が怖い」と不安そうだったあなた。
その後、一緒に旅して僕と打ち解けてくれましたね。

花のように笑うって、まさにあなたの笑顔です。
春の日差しのように暖かくて優しくて。
「このまま時間が止まれば良い」と思ってしまう。

こんな気持ちは初めてだ。何でしょうね。不思議です。



☆『世界で一つだけの願い事』(フラン)

とっくの昔に森の声は聞こえない。
エルトの里には帰れない。

わかっているわ。
私自身が選んだことだから、誰も恨まない。

姉さんには感謝してる。
ミュリンは心配だけど、彼女もやがて自分で道を選ぶでしょう。

でも、たった一つ願いが叶うなら…
もう一度だけ三人一緒に笑いたかった。
17/10/21 23:29更新 / ちゃか
[1]作者メッセージを読む


[7]TOP
[0]投票 [*]感想
まろやか投稿小説 Ver1.53c