恋をはじめる(J+7)
魔導院の芝生の上
中庭でジャックが野良猫を足元に遊ばせて
日向ぼっこしていると
他のクラスの候補生の女子がやってきた
「猫さわりたいな」
というその子の要望に
「どうぞ〜僕の猫じゃないんだけどね」
一緒に猫と遊ぼうという
ふわふわしたその毛の感触を確かめて
数回撫でると
満足したのかその子は礼を言って去っていった
「いいなぁ〜お前 女の子に撫でてもらって」
猫と二人になった自分は
猫にちょっとだけ嫉妬した
「でも、自分も 頭撫でてくれる人
いるからいいんだぁ」
猫を抱いて膝に乗せ
少し空を見上げながら
芝生の上でのんびり空気の香りを楽しむ
風が草を揺らし
小鳥が空を舞う
ジャックが何も考えられないくらい
平和な昼下がり
そこに、数人の女の子に囲まれた
僕の大好きな人がやってきた
「ジャックじゃないか」
端整な顔立ちの凛々しい女の子
僕の大好きなセブン
「じゃぁ、ここで」
セブンは一緒にいた女の子達に声をかけると
柵をひらりと飛び越えて
芝生の上にやってきてくれた
「セブン、あの子達いいの?」
「用件は済んでいたんだ、構わないよ」
ああ・・男前な笑顔・・・
女の子に男前って失礼かな
でもカッコいいんだ、セブンは
女の子にも人気があるしね
「かわいいな、こいつ・・」
僕の膝の上で丸くなる猫に
指でカリカリとのど元を掻いてあげている
セブンが猫を撫でて目を細めているから
自分はやっぱり猫に嫉妬した
「・・・いいなぁ」
セブンに頭を撫でてもらえるなんて
「なんだ、ジャック羨ましいのか?」
「うん」
そこは素直に肯定する
だって、やっぱり羨ましい
「猫にやきもち焼いてどうする・・」
「だって・・」
羨ましいけど
猫になりたいわけじゃない
「セブン、僕も撫でて」
甘えてみる
「何言ってるんだ」
笑われちゃった
「だめぇ?」
さらに甘えてみる
「しょうがないな、いい年になって」
そういうと、仕方ないなって言いながらも
セブンはちゃんと頭を撫でてくれる
「ジャックは頭を固めすぎだ」
「だってぇ、ちゃんとセットしないと」
すると、頭を撫でていた手を
ゆっくりおろしてくる
その指先で
軽く頬をなでてくれる
「くすぐったいや・・」
「はは」
セブンが笑ってくれる
「そういえば、さっきの子たちに
お菓子をもらった」
ポケットから小さな袋に入ったクッキーが出る
「美味しそうだね」
「でも、さっきから猫を触っているだろう」
「マザーに動物を触ったら手を洗いなさいって
昔言われたねぇ」
「私もいま猫を撫でてしまったしな」
せっかくのクッキーだけど
ちょっとお預けにしよう
そう思っていると
袋を開けて少しだけクッキーを出すと
セブンはひとつパクリと咥えてしまった
「セブン、お行儀悪い〜〜」
いつもは自分が怒られるから
今日はセブンにお説教してやろう
すると
そのままこちらに顔を向けて
「ん」
と、顔を上げて近寄ってみせた
「え?そのまま食べていいの?」
聞くと
コクリと頷く
ドキドキするじゃない
「じゃぁ・・・遠慮なく」
顔が近い
丸いクッキーだから
いつ唇が触れるかわからない距離
軽く端を咥えたら
サクっという音がして
セブンがかじって逃げてしまった
「ちぇー」
もぐもぐ頬張りながら
拗ねてみせる
「何言ってるんだ」
しらっとした顔のセブン
そうこうしていると
飽きたのか猫が自分の膝から
ひとつあくびをして
ぴょんと去っていってしまった
「・・行っちゃったね」
「かえるんだろう、私達も帰ろう」
「うん」
立ち上がってお尻を払う
「帰ったら、さっきの続きしていい?」
ちょっと意地悪っぽく聞いてみる
「だめだ」
あっさり断られてしまう
「ちぇー」
少し不満もあるけどいいんだ
またこの人を好きになったから
中庭でジャックが野良猫を足元に遊ばせて
日向ぼっこしていると
他のクラスの候補生の女子がやってきた
「猫さわりたいな」
というその子の要望に
「どうぞ〜僕の猫じゃないんだけどね」
一緒に猫と遊ぼうという
ふわふわしたその毛の感触を確かめて
数回撫でると
満足したのかその子は礼を言って去っていった
「いいなぁ〜お前 女の子に撫でてもらって」
猫と二人になった自分は
猫にちょっとだけ嫉妬した
「でも、自分も 頭撫でてくれる人
いるからいいんだぁ」
猫を抱いて膝に乗せ
少し空を見上げながら
芝生の上でのんびり空気の香りを楽しむ
風が草を揺らし
小鳥が空を舞う
ジャックが何も考えられないくらい
平和な昼下がり
そこに、数人の女の子に囲まれた
僕の大好きな人がやってきた
「ジャックじゃないか」
端整な顔立ちの凛々しい女の子
僕の大好きなセブン
「じゃぁ、ここで」
セブンは一緒にいた女の子達に声をかけると
柵をひらりと飛び越えて
芝生の上にやってきてくれた
「セブン、あの子達いいの?」
「用件は済んでいたんだ、構わないよ」
ああ・・男前な笑顔・・・
女の子に男前って失礼かな
でもカッコいいんだ、セブンは
女の子にも人気があるしね
「かわいいな、こいつ・・」
僕の膝の上で丸くなる猫に
指でカリカリとのど元を掻いてあげている
セブンが猫を撫でて目を細めているから
自分はやっぱり猫に嫉妬した
「・・・いいなぁ」
セブンに頭を撫でてもらえるなんて
「なんだ、ジャック羨ましいのか?」
「うん」
そこは素直に肯定する
だって、やっぱり羨ましい
「猫にやきもち焼いてどうする・・」
「だって・・」
羨ましいけど
猫になりたいわけじゃない
「セブン、僕も撫でて」
甘えてみる
「何言ってるんだ」
笑われちゃった
「だめぇ?」
さらに甘えてみる
「しょうがないな、いい年になって」
そういうと、仕方ないなって言いながらも
セブンはちゃんと頭を撫でてくれる
「ジャックは頭を固めすぎだ」
「だってぇ、ちゃんとセットしないと」
すると、頭を撫でていた手を
ゆっくりおろしてくる
その指先で
軽く頬をなでてくれる
「くすぐったいや・・」
「はは」
セブンが笑ってくれる
「そういえば、さっきの子たちに
お菓子をもらった」
ポケットから小さな袋に入ったクッキーが出る
「美味しそうだね」
「でも、さっきから猫を触っているだろう」
「マザーに動物を触ったら手を洗いなさいって
昔言われたねぇ」
「私もいま猫を撫でてしまったしな」
せっかくのクッキーだけど
ちょっとお預けにしよう
そう思っていると
袋を開けて少しだけクッキーを出すと
セブンはひとつパクリと咥えてしまった
「セブン、お行儀悪い〜〜」
いつもは自分が怒られるから
今日はセブンにお説教してやろう
すると
そのままこちらに顔を向けて
「ん」
と、顔を上げて近寄ってみせた
「え?そのまま食べていいの?」
聞くと
コクリと頷く
ドキドキするじゃない
「じゃぁ・・・遠慮なく」
顔が近い
丸いクッキーだから
いつ唇が触れるかわからない距離
軽く端を咥えたら
サクっという音がして
セブンがかじって逃げてしまった
「ちぇー」
もぐもぐ頬張りながら
拗ねてみせる
「何言ってるんだ」
しらっとした顔のセブン
そうこうしていると
飽きたのか猫が自分の膝から
ひとつあくびをして
ぴょんと去っていってしまった
「・・行っちゃったね」
「かえるんだろう、私達も帰ろう」
「うん」
立ち上がってお尻を払う
「帰ったら、さっきの続きしていい?」
ちょっと意地悪っぽく聞いてみる
「だめだ」
あっさり断られてしまう
「ちぇー」
少し不満もあるけどいいんだ
またこの人を好きになったから
13/10/17 11:44更新 / 霜月(bruler)