連載小説
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10親子で…。
「むーーーーん」
「どうしたんだティーダ、考え事か?」
「あ、のばr
「その呼び方やめろってば」
「うん、えっとな、今日って父の日だろ?」
「ああ。もしかしてジェクトになにか渡すのか?」
「なっかなかアイデアが浮かばないんだよな〜」
「そういうときは肩たたき券とか」
「幼稚園児並みの思考か!!てか、触れるだけでもいやだ」
「女子かお前は」
「うーん…まじどうしよ」
「じゃあなぁ…あれはどうだ?」

花をプレゼントしてみろよ。

この年で花を父に渡すのは気恥ずかしいと思ったが、このほかなにも
案が思い浮かばなかったからこれで決定した。

そして今は花屋の前。


「いらっしゃいませ」
(うーん…どんな花を渡せばいいんだろ)
歩きながらどの花にしようか考えていた。
花の知識なんて俺の頭にはなにもない。のばら、連れて来ればよかった。
父の日に渡す花っていうのも、どこかで聞いた気がしたが忘れた。
全く…自分の記憶力の無さに泣けてくる…。

(お。この花きれいだな!)
目にしたのは綺麗な黄色の花。
これだったら親父も喜んでくれるだろ。
一目ぼれしたその花を手に持って笑顔でレジへ向かった。
お金を払い、店からでた。

「よっし!自腹だけど、たまにはこういうのもいいな!気持ちいいぜ!」

でもひとつ心残りがある。

なんでレジの人、あんなにぽかんとした表情で俺のこと見てたんだ?
笑顔で花買うのがそんなに変かな?

まぁいっか。
夜遅く、ティーダは家に帰った。
家にはジェクトがいた。

「おせーぞクソガキ!」
「悪かったって!そういやさ、今日何の日だかわかる?」
「あん?」
「鈍感だな〜…っほら!やるよ!」
「…!」
「びっくりしたろ!父の日だよ!幸せだなアンタ〜」
「何がだよ」
「こんな親孝行の息子に育ってさ!」
「このどこが親孝行だ?」
「は?」
「…お前のバカにはついていけねーなぁ」
「なんだよ!ケンカうってんのかよ!」
「まだわかんねーのかよ!俺がイラついてるワケを」
「言ってみやがr

「この花  菊  だよ」

「……………はぃ???」

「こんなめでてー日にオメーは父親に向かって死ねっていってんのかよ」

「………菊?これ?菊なの?」

「…もぅ嫌だこの馬鹿息子…」

「……ごめんなさいorz」




翌日。

「おはようティーダ。昨日、ジェクトは喜んでくれたか?」
「…悪い。来年、フリオ一緒にプレゼント選んでくれ」
「…あぁ。なんかなんとなくわかったぞ。いいぞ、一緒に行ってやろう」


今年の父の日、ティーダはまたひとつお勉強しました。
12/06/17 12:34更新 / 実咲
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■作者メッセージ
ティーダ、多分ここまでアホじゃない。

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