今年一番の思い出は?(ジタン&クジャ+a)
今年ももうすぐ終わろうとしている。
コスモス軍一同が生活しているとある家で、こたつの中、ジタンは一人で丸くなり陣取っていた。
「おれぇ…今年なにもなさ過ぎて悲しくなってきたわ」
時既に遅し。もう12月の下旬だ。
来年こそは!…と言い聞かせるが、どうせ来年の今頃もこんなかんじだろう。
そこにティファがやってきた。
「さむーい…ねぇ!私もいれて!」
「おぉ!ごめんな!レディーのほうが体が冷えやすいってのに男の俺がとってて;」
「大丈夫!……はー…あったかぃv…ねぇ、そういえば、ジタンしょんぼりしてなかった?どうしたの?」
「見られてたのか俺…。あのな…、俺、今年一年なんもなかったのよ、変化とかいろいろ」
「うんうん」
「だからさ、せめて誰かの記憶に残るようなことしたいなって」
「今からはさすがにキツイと思いますよ〜」
「ですよねーw!」
「吹っ切れないでよそこで」
「ごめんなせぇ」
ティファは、なにかを思い出したような素振りをみせた。
「ねぇ、そういえば、今年ジタンのお兄さんの誕生日祝ったんだって?」
「あぁ、いつも世話んなってるし」
「いい子だね!そういうのだって、記憶に残ってるよ」
「はぃ?誰の?」
「クジャの」
「…本人そういってた?」
「うん。あのね……ーーー」
それはつい先日のこと。
ティファは偶然クジャと散歩中に会い、同じような会話をしていた。
「私、今年クラウドになにもしてあげられなかったなぁ」
「本当に君は幸せ者だね」
「そういうあなただって今年いいことありましたーって顔してるよ?」
「なに言ってんだい気味悪い」
「ひっどーい!…ねぇ、なにかあったんでしょ?教えてよ!」
「…実は、弟…ジタンに誕生日を祝ってもらったんだ…」
「へー!しょっちゅう喧嘩してたって結局仲良しなんじゃない!」
「…まぁ」
「ふふッ…拒否しないのね」
「…」
「ごめんなさい!ねぇ、なにもらったの?」
「ホールケーキをジタンが買って来てくれたんだ」
「え…それクジャ一人で食べたの?」
「違うわ」
「冗談よ!二人で食べたのね?」
「あぁ…」
ジタンが祝う日の昼に電話してきて、
「クジャってどんなケーキが好きだ?……あッ…;;別にてめーの誕生日用じゃねーぞ!俺のダチの誕生日用のケーキだ!いろんなヤツにケーキの好みを聞いて、それを参考にしようとしただけだからな!勘違いすんな!!」
などと、バレバレの嘘をついたり、
ケーキに刺すクジャの誕生日の数字のろうそく、砂糖菓子のうさぎをジタンが飲み物を準備していてキッチンにいたときにクジャが勝手にセットして激怒されたこと、
クジャがうさぎの砂糖菓子を食べたら甘すぎて気持ち悪くなって、頭部が食べられていて胴体しかないうさぎをジタンにあげたり。
そんな他愛もない話をティファは幸せそうに聞いていた。
「嘘だ」
「ホントよ?笑顔だったわ。本当の笑顔」
「嘘だよ」
「…ジタン」
「カオスのヤツらと過ごしてた日のほうが多かったんだぞ」
「そうだよ?」
「俺となんて今年一回、誕生日でしか一緒に過ごさなかった」
「そうなんだ…」
「カオスとの思い出のほうが多いよ…絶対…嘘だもん」
ジタンの声が震えている。
今にも泣き出しそうだ。
「…ジタン」
「…」
「クジャはね?口には出さないけど、あなたのこと、大事なの」
「…」
「おにいさんとかおねえさんとかって、下の子から構ってもらったり、頼りにされると嬉しいものなの」
「…ふぅん」
「私だって、ジタンと話してるの楽しい」
「…ん」
「だから…クジャのこと、ジタンも大事にして?あなたたち、素直じゃないんだもん」
「…おぅ!!!」
来年も祝ってやろう。
そうすることで、クジャが幸せになることを知ったから。
今度こそ自分に素直になって、とびっきりの笑顔で迎えてやろうか。
コスモス軍一同が生活しているとある家で、こたつの中、ジタンは一人で丸くなり陣取っていた。
「おれぇ…今年なにもなさ過ぎて悲しくなってきたわ」
時既に遅し。もう12月の下旬だ。
来年こそは!…と言い聞かせるが、どうせ来年の今頃もこんなかんじだろう。
そこにティファがやってきた。
「さむーい…ねぇ!私もいれて!」
「おぉ!ごめんな!レディーのほうが体が冷えやすいってのに男の俺がとってて;」
「大丈夫!……はー…あったかぃv…ねぇ、そういえば、ジタンしょんぼりしてなかった?どうしたの?」
「見られてたのか俺…。あのな…、俺、今年一年なんもなかったのよ、変化とかいろいろ」
「うんうん」
「だからさ、せめて誰かの記憶に残るようなことしたいなって」
「今からはさすがにキツイと思いますよ〜」
「ですよねーw!」
「吹っ切れないでよそこで」
「ごめんなせぇ」
ティファは、なにかを思い出したような素振りをみせた。
「ねぇ、そういえば、今年ジタンのお兄さんの誕生日祝ったんだって?」
「あぁ、いつも世話んなってるし」
「いい子だね!そういうのだって、記憶に残ってるよ」
「はぃ?誰の?」
「クジャの」
「…本人そういってた?」
「うん。あのね……ーーー」
それはつい先日のこと。
ティファは偶然クジャと散歩中に会い、同じような会話をしていた。
「私、今年クラウドになにもしてあげられなかったなぁ」
「本当に君は幸せ者だね」
「そういうあなただって今年いいことありましたーって顔してるよ?」
「なに言ってんだい気味悪い」
「ひっどーい!…ねぇ、なにかあったんでしょ?教えてよ!」
「…実は、弟…ジタンに誕生日を祝ってもらったんだ…」
「へー!しょっちゅう喧嘩してたって結局仲良しなんじゃない!」
「…まぁ」
「ふふッ…拒否しないのね」
「…」
「ごめんなさい!ねぇ、なにもらったの?」
「ホールケーキをジタンが買って来てくれたんだ」
「え…それクジャ一人で食べたの?」
「違うわ」
「冗談よ!二人で食べたのね?」
「あぁ…」
ジタンが祝う日の昼に電話してきて、
「クジャってどんなケーキが好きだ?……あッ…;;別にてめーの誕生日用じゃねーぞ!俺のダチの誕生日用のケーキだ!いろんなヤツにケーキの好みを聞いて、それを参考にしようとしただけだからな!勘違いすんな!!」
などと、バレバレの嘘をついたり、
ケーキに刺すクジャの誕生日の数字のろうそく、砂糖菓子のうさぎをジタンが飲み物を準備していてキッチンにいたときにクジャが勝手にセットして激怒されたこと、
クジャがうさぎの砂糖菓子を食べたら甘すぎて気持ち悪くなって、頭部が食べられていて胴体しかないうさぎをジタンにあげたり。
そんな他愛もない話をティファは幸せそうに聞いていた。
「嘘だ」
「ホントよ?笑顔だったわ。本当の笑顔」
「嘘だよ」
「…ジタン」
「カオスのヤツらと過ごしてた日のほうが多かったんだぞ」
「そうだよ?」
「俺となんて今年一回、誕生日でしか一緒に過ごさなかった」
「そうなんだ…」
「カオスとの思い出のほうが多いよ…絶対…嘘だもん」
ジタンの声が震えている。
今にも泣き出しそうだ。
「…ジタン」
「…」
「クジャはね?口には出さないけど、あなたのこと、大事なの」
「…」
「おにいさんとかおねえさんとかって、下の子から構ってもらったり、頼りにされると嬉しいものなの」
「…ふぅん」
「私だって、ジタンと話してるの楽しい」
「…ん」
「だから…クジャのこと、ジタンも大事にして?あなたたち、素直じゃないんだもん」
「…おぅ!!!」
来年も祝ってやろう。
そうすることで、クジャが幸せになることを知ったから。
今度こそ自分に素直になって、とびっきりの笑顔で迎えてやろうか。
12/12/26 19:37更新 / 実咲