戦士の慰め【R18】
皆が寝静まり、今日も聖域周辺を見回りに行こうと支度をしていたところをセシルに呼び止められた。
“無理をせず時には休むことも大事”――と言われたが、私は疲れを感じたことはあまり無い。
いや、たとえ身体の調子が優れなくとも私は倒れてはならない。コスモスと仲間達とこの世界を守るため戦い続けなくてはならない。
私は大丈夫だと何度も断ったが、あまりにも訴えかけるように懇願するので段々心苦しくなり、今日だけはその言葉に甘えることにした。
―――――――――――――――
出掛ける為の支度が必要なくなってしまったので、テントの床に腰掛け静かに目を瞑ってみるが、落ち着かない。
仲間のことが気になるが、ここで行けば皆の好意を無駄にすることになってしまう。
「まずは身を軽くするか……」
私は、ブローチを外してマントを脱ぎ去り、上半身・腕と手の甲・腰周りを守る鎧の留め具を少しずつ解き、最後に鉄靴を脱いだ。
身に纏う物を脱ぐと解放された気分になり、ふう、と溜め息を吐きそのまま仰向けに寝た。
「そういえば、最近処理をしていないな」
“処理”とは己を慰め精を吐き出すこと。溜めすぎてしまえば戦いに支障が出るので適度に処理しなくてはならない。
私は当初“処理”というものを全く知らなかったが、仲間に教わって以来、皆と同じくその行為に及ぶようになった。
しかし、私の処理の方法は皆とは違っていて――
「声を漏らしては皆に気付かれてしまう……」
私はゴソゴソと救急用の荷物を漁り、綿の塊と包帯を取り出した。
そして綿の塊を口内に詰め込み、その上から包帯を覆い被せて頭部を何回か巻いた後、後ろで結び付けた。
続いて下履きを脱ぎ捨て、黒いインナーと白い腰布だけを纏った状態にする。
――テントの外に耳を澄ましてみるが、誰も来ないようだ。
(始めるか……)
私はひとり、心の中でそう決意した。
それにしても、処理はもう幾度となく行っているが、事を始めるまでの緊張感には未だに慣れることが出来ない。
これは皆も同じなのだろうか?処理なのだから、もう少し気を楽にした方がいいのだろうか?
――いや、余計なことは考えないようにしよう。
頭の中を支配しようとする雑念を払いつつ、処理をしやすいように体勢を変え始める。
身体が床に擦れて痛まないよう、先ほど脱いだマントを下に敷き、左半身を下にして横向きに寝そべる。
そして、両脚をくの字に揃え、痺れぬ程度に右足を持ち上げると、背面から腕を伸ばしそっと臀部に掌を添えた。
筋肉の緊張を和らげるため、深呼吸をしながら二つの肉の間に潜む小さな穴の周りを指の腹で撫でる。
身体の力が緩まってきたところで、まずは指を一本挿入してみる。
(……ん、ふ)
口は塞いであるので、鼻から微かに息が漏れた。
まずは入り口付近から解していこうと思ったが、全く濡らすことなく処理を始めてしまったので乾いた内部に触れるのが少し痛い。
唾液を使うにも口を塞いでしまったのでそれも叶わず、一度穴から指を引き抜いいた。
テント内を見渡してみると、幸いにもポーションの容器が目に留まったので腕を伸ばし手に取る。
蓋を開けて中の液体を指に絡ませ再び後ろに手を伸ばすが、辿り着くまでに液が指から伝い落ちてしまい、上手くいかない。
(困ったな……)
途方に暮れ、ポーションの容器を眺めているとあることに気が付く。
鳥をモチーフにしたような蓋が取り外された容器の上部は花瓶のように細長かった。
(容器の先をそのまま挿入してしまえば……)
もう他に手はない。最終的に吐き出してしまえばどんな方法でも……。
私はポーションを手に取り、その容器の口を後ろに宛がった。
(私は……今日はどうかしているな……)
己を恥じながらもその手を止めることは出来なかった。
無機質な容器は硬く冷たかったが、それでもじりじりと奥へ進めていき、大分入ったところでゆっくりと中で動かしてみる。
(ん、ん……!)
此処には自分の指と行為をする相手の性器以外は受け入れたことがない。
出し入れする際に傾いた容器から液体が内部に注ぎ込まれ、潤滑油代わりとなった。
これを利用して、内部の、己が最も善がれる所へとそれを誘っていく。
(ふ、ぅ……!んんっ)
体内に注がれたポーションの量は結構なもので、中を掻き回すと同時に、纏わりつくような粘着質な水音で聴覚が侵された。
床に敷かれたマントを掴み、この卑猥な水音から気を逸らそうと思ったが……。
(ん……、ぅ!)
――もう限界だ。身体が熱い……息も苦しい、口を封じるものを取って声を出してしまいたい……。
私は容器を動かす手は止めぬまま、空いた左手で口を覆う包帯を毟り取り、唾液で濡れた綿の塊を吐き出した。
そして朦朧とし始める意識の中、力を振り絞ってより一層激しく手を動かし、容器の先で感点を何度も突き上げた。
「くっ、ぅ!あ、アァ!」
獣のように啼き、身を捩っているのが自分で無いように思えた。
こんな、己の欲も制することが出来ぬ人間に、秩序の戦士など務まるのだろうか……?
このような痴態を皆に見せてしまった時には……私は……。
「うぐぅ、んアッ!」
だが己の意に反し、快感を求め続ける身体はやはり正直だった。
射精前の感覚が襲って来たので、最後に内部をもう一突きすると、精を吐き私は達してしまった。
「はァ、はぁ……」
呼吸を整えながら挿入した容器を抜いていると、テントの外から誰かの足音が聞こえてくる。
微かに話し声も聞こえるが……数人いるのだろうか。
「このような姿……見られて、は……」
急いでマントを掻き集め身体を隠そうとするが、欲を吐き出し安堵したのか、強烈な眠気に襲われ私はそのまま眠りに落ちてしまった。
“無理をせず時には休むことも大事”――と言われたが、私は疲れを感じたことはあまり無い。
いや、たとえ身体の調子が優れなくとも私は倒れてはならない。コスモスと仲間達とこの世界を守るため戦い続けなくてはならない。
私は大丈夫だと何度も断ったが、あまりにも訴えかけるように懇願するので段々心苦しくなり、今日だけはその言葉に甘えることにした。
―――――――――――――――
出掛ける為の支度が必要なくなってしまったので、テントの床に腰掛け静かに目を瞑ってみるが、落ち着かない。
仲間のことが気になるが、ここで行けば皆の好意を無駄にすることになってしまう。
「まずは身を軽くするか……」
私は、ブローチを外してマントを脱ぎ去り、上半身・腕と手の甲・腰周りを守る鎧の留め具を少しずつ解き、最後に鉄靴を脱いだ。
身に纏う物を脱ぐと解放された気分になり、ふう、と溜め息を吐きそのまま仰向けに寝た。
「そういえば、最近処理をしていないな」
“処理”とは己を慰め精を吐き出すこと。溜めすぎてしまえば戦いに支障が出るので適度に処理しなくてはならない。
私は当初“処理”というものを全く知らなかったが、仲間に教わって以来、皆と同じくその行為に及ぶようになった。
しかし、私の処理の方法は皆とは違っていて――
「声を漏らしては皆に気付かれてしまう……」
私はゴソゴソと救急用の荷物を漁り、綿の塊と包帯を取り出した。
そして綿の塊を口内に詰め込み、その上から包帯を覆い被せて頭部を何回か巻いた後、後ろで結び付けた。
続いて下履きを脱ぎ捨て、黒いインナーと白い腰布だけを纏った状態にする。
――テントの外に耳を澄ましてみるが、誰も来ないようだ。
(始めるか……)
私はひとり、心の中でそう決意した。
それにしても、処理はもう幾度となく行っているが、事を始めるまでの緊張感には未だに慣れることが出来ない。
これは皆も同じなのだろうか?処理なのだから、もう少し気を楽にした方がいいのだろうか?
――いや、余計なことは考えないようにしよう。
頭の中を支配しようとする雑念を払いつつ、処理をしやすいように体勢を変え始める。
身体が床に擦れて痛まないよう、先ほど脱いだマントを下に敷き、左半身を下にして横向きに寝そべる。
そして、両脚をくの字に揃え、痺れぬ程度に右足を持ち上げると、背面から腕を伸ばしそっと臀部に掌を添えた。
筋肉の緊張を和らげるため、深呼吸をしながら二つの肉の間に潜む小さな穴の周りを指の腹で撫でる。
身体の力が緩まってきたところで、まずは指を一本挿入してみる。
(……ん、ふ)
口は塞いであるので、鼻から微かに息が漏れた。
まずは入り口付近から解していこうと思ったが、全く濡らすことなく処理を始めてしまったので乾いた内部に触れるのが少し痛い。
唾液を使うにも口を塞いでしまったのでそれも叶わず、一度穴から指を引き抜いいた。
テント内を見渡してみると、幸いにもポーションの容器が目に留まったので腕を伸ばし手に取る。
蓋を開けて中の液体を指に絡ませ再び後ろに手を伸ばすが、辿り着くまでに液が指から伝い落ちてしまい、上手くいかない。
(困ったな……)
途方に暮れ、ポーションの容器を眺めているとあることに気が付く。
鳥をモチーフにしたような蓋が取り外された容器の上部は花瓶のように細長かった。
(容器の先をそのまま挿入してしまえば……)
もう他に手はない。最終的に吐き出してしまえばどんな方法でも……。
私はポーションを手に取り、その容器の口を後ろに宛がった。
(私は……今日はどうかしているな……)
己を恥じながらもその手を止めることは出来なかった。
無機質な容器は硬く冷たかったが、それでもじりじりと奥へ進めていき、大分入ったところでゆっくりと中で動かしてみる。
(ん、ん……!)
此処には自分の指と行為をする相手の性器以外は受け入れたことがない。
出し入れする際に傾いた容器から液体が内部に注ぎ込まれ、潤滑油代わりとなった。
これを利用して、内部の、己が最も善がれる所へとそれを誘っていく。
(ふ、ぅ……!んんっ)
体内に注がれたポーションの量は結構なもので、中を掻き回すと同時に、纏わりつくような粘着質な水音で聴覚が侵された。
床に敷かれたマントを掴み、この卑猥な水音から気を逸らそうと思ったが……。
(ん……、ぅ!)
――もう限界だ。身体が熱い……息も苦しい、口を封じるものを取って声を出してしまいたい……。
私は容器を動かす手は止めぬまま、空いた左手で口を覆う包帯を毟り取り、唾液で濡れた綿の塊を吐き出した。
そして朦朧とし始める意識の中、力を振り絞ってより一層激しく手を動かし、容器の先で感点を何度も突き上げた。
「くっ、ぅ!あ、アァ!」
獣のように啼き、身を捩っているのが自分で無いように思えた。
こんな、己の欲も制することが出来ぬ人間に、秩序の戦士など務まるのだろうか……?
このような痴態を皆に見せてしまった時には……私は……。
「うぐぅ、んアッ!」
だが己の意に反し、快感を求め続ける身体はやはり正直だった。
射精前の感覚が襲って来たので、最後に内部をもう一突きすると、精を吐き私は達してしまった。
「はァ、はぁ……」
呼吸を整えながら挿入した容器を抜いていると、テントの外から誰かの足音が聞こえてくる。
微かに話し声も聞こえるが……数人いるのだろうか。
「このような姿……見られて、は……」
急いでマントを掻き集め身体を隠そうとするが、欲を吐き出し安堵したのか、強烈な眠気に襲われ私はそのまま眠りに落ちてしまった。
14/08/05 17:52更新 / リヒト