第1章 第1話「出会い」
「おぅ!面接はじめっぞ!かかってこいや!」
ジョゼ寺院では今日もお馴染みの号令と共にいつもの1日が始まる―――
ハズだった
しかし1人の少女が視界に入った時、ギップルは驚きを隠せなかった。
否、少女と呼ぶに相応しいあどけなさはないものの、確実に自分より年下であろう女。
その女が、発掘の面接担当たる自分の前にやってきたのだ…それもたった一人で。
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「本気?」
めんどくせぇことになりそうだ、と心の中で溜め息をつきつつ言葉を投げかけると、
「もちろん」
少女は笑う。
「…念のために聞くけど、なんの面接かはわかってるんだよな?」
「発掘。
ビーカネル砂漠で。
マキナのパーツを。」
ふぅ…今度は溜め息を隠さなかった。
「魔物も出るんだ。キツイだけじゃなくて危ない仕事だぞ。」
「大丈夫。ずっと自分の面倒は自分で見てきたから。」
「でもなぁ…」
今までだって少女と言っていい年齢の女を雇ったことがない訳じゃないが、
何といってもそれはスピラを救った元大召喚士様と伝説のガードご一行様だったのだ。
ギップルが苦笑しながらその時のことを思い出していると、
「!!!!!!」
目の前の少女は何の躊躇いもなく、身にまとっていた服を脱ぎ始めた。
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「お…おい!ちょっと待て!何やってんだお前!」
赤くなって慌てるギップルに、少女はぐいと詰め寄った。
「だったら私を買ってくれる?」
…はぁ。まだ朝だってのに、何回目の溜め息ついてんだ、オレ。
「なんで、いきなりそうなんだよ?」
「じゃあ発掘させて?
正直言うと、今1ギルも持ってないんだ。
生きてくには、働かないとさ。」
「…わかった。でもお前、1人だろ?
今から他のやつも面接すっから、ちょっとそこで待ってろ。」
そう言って、ギップルは次の候補者を呼びに行ったのだが―――
少女の連れになりそうな、人の良さそうな男を連れて戻ってきた時には、
既に少女の姿はそこになかった―――
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まさかアイツ、1人で砂漠行ってねぇだろうな…
気にはなったものの、マキナ派リーダーの1日は忙しい。
誰も彼もギップルの名前を呼んで頼ってくるから、気がついたら、
あっという間に夕刻になってしまった。
一応、ナーダラに連絡入れてみっか。
そう思い、扉を開けると、突然、目の前にデカイ袋がぶらさがった。
顔をあげると、今朝会った少女の勝気な笑顔に出会う。
「できるって言ったでしょ?」
袋の中にはレアパーツばかり15も入っていたのだ。
「レア物ばっかじゃねぇか!…どこで発掘してきた?」
「ホーム。」
「マジかよ…」
砂漠でホームといえば、アルベドホームのことで間違いない。
以前は皆のよりどころとなったホームだが、今ではビーカネル砂漠でも
特に強い魔物ばかり出る、危険地帯となっていた。
よく見ると、少女の服は所々破れているものの、そこから覗く白い肌に
傷はないようだった。
「白魔法使えるのか。」
「まぁね。後はコレで。」
少女は腰に刺さる長剣を指差す。
…しょうがねぇ、か。
「あーもう!わかった!
採用だ!お前、採用!」
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「ちょっと来い!」
少女の腕を掴むと、寺院の入り口に向かって歩いていく。
そこには、今日の仕事を終えて戻ってきたナーダラがいた。
「悪ぃんだけど、コイツに今日の分の賃金やってよ。
それと、まだ部屋余ってたよな?コイツ泊まらしてやってくんねぇ?」
今度は、少女が目を見開く番。
「特別扱いは、イヤ!」
首を振る少女に、ギップルは面倒くさそうにナーダラを見やる。
「コレ、コイツの今日1日の成果なんだけど、どー思う?」
袋を覗きこんだナーダラが微笑んだ。
「…通常賃金に+α、更に部屋を提供してでもウチに留めたい人材、ってことになるな。」
「そーいうこと。」
ギップルはニヤッと笑い、後はよろしく、と手を上げて戻って行った―――
ジョゼ寺院では今日もお馴染みの号令と共にいつもの1日が始まる―――
ハズだった
しかし1人の少女が視界に入った時、ギップルは驚きを隠せなかった。
否、少女と呼ぶに相応しいあどけなさはないものの、確実に自分より年下であろう女。
その女が、発掘の面接担当たる自分の前にやってきたのだ…それもたった一人で。
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「本気?」
めんどくせぇことになりそうだ、と心の中で溜め息をつきつつ言葉を投げかけると、
「もちろん」
少女は笑う。
「…念のために聞くけど、なんの面接かはわかってるんだよな?」
「発掘。
ビーカネル砂漠で。
マキナのパーツを。」
ふぅ…今度は溜め息を隠さなかった。
「魔物も出るんだ。キツイだけじゃなくて危ない仕事だぞ。」
「大丈夫。ずっと自分の面倒は自分で見てきたから。」
「でもなぁ…」
今までだって少女と言っていい年齢の女を雇ったことがない訳じゃないが、
何といってもそれはスピラを救った元大召喚士様と伝説のガードご一行様だったのだ。
ギップルが苦笑しながらその時のことを思い出していると、
「!!!!!!」
目の前の少女は何の躊躇いもなく、身にまとっていた服を脱ぎ始めた。
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「お…おい!ちょっと待て!何やってんだお前!」
赤くなって慌てるギップルに、少女はぐいと詰め寄った。
「だったら私を買ってくれる?」
…はぁ。まだ朝だってのに、何回目の溜め息ついてんだ、オレ。
「なんで、いきなりそうなんだよ?」
「じゃあ発掘させて?
正直言うと、今1ギルも持ってないんだ。
生きてくには、働かないとさ。」
「…わかった。でもお前、1人だろ?
今から他のやつも面接すっから、ちょっとそこで待ってろ。」
そう言って、ギップルは次の候補者を呼びに行ったのだが―――
少女の連れになりそうな、人の良さそうな男を連れて戻ってきた時には、
既に少女の姿はそこになかった―――
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まさかアイツ、1人で砂漠行ってねぇだろうな…
気にはなったものの、マキナ派リーダーの1日は忙しい。
誰も彼もギップルの名前を呼んで頼ってくるから、気がついたら、
あっという間に夕刻になってしまった。
一応、ナーダラに連絡入れてみっか。
そう思い、扉を開けると、突然、目の前にデカイ袋がぶらさがった。
顔をあげると、今朝会った少女の勝気な笑顔に出会う。
「できるって言ったでしょ?」
袋の中にはレアパーツばかり15も入っていたのだ。
「レア物ばっかじゃねぇか!…どこで発掘してきた?」
「ホーム。」
「マジかよ…」
砂漠でホームといえば、アルベドホームのことで間違いない。
以前は皆のよりどころとなったホームだが、今ではビーカネル砂漠でも
特に強い魔物ばかり出る、危険地帯となっていた。
よく見ると、少女の服は所々破れているものの、そこから覗く白い肌に
傷はないようだった。
「白魔法使えるのか。」
「まぁね。後はコレで。」
少女は腰に刺さる長剣を指差す。
…しょうがねぇ、か。
「あーもう!わかった!
採用だ!お前、採用!」
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「ちょっと来い!」
少女の腕を掴むと、寺院の入り口に向かって歩いていく。
そこには、今日の仕事を終えて戻ってきたナーダラがいた。
「悪ぃんだけど、コイツに今日の分の賃金やってよ。
それと、まだ部屋余ってたよな?コイツ泊まらしてやってくんねぇ?」
今度は、少女が目を見開く番。
「特別扱いは、イヤ!」
首を振る少女に、ギップルは面倒くさそうにナーダラを見やる。
「コレ、コイツの今日1日の成果なんだけど、どー思う?」
袋を覗きこんだナーダラが微笑んだ。
「…通常賃金に+α、更に部屋を提供してでもウチに留めたい人材、ってことになるな。」
「そーいうこと。」
ギップルはニヤッと笑い、後はよろしく、と手を上げて戻って行った―――
14/08/01 15:12更新 / ぶらうにー